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【製品開発担当者向け】脱プラに貢献! 環境に配慮した包装容器・パッケージの代替素材

Date 2025.12.19

【製品開発担当者向け】脱プラに貢献! 環境に配慮した包装容器・パッケージの代替素材のサムネイル

私たちは、エアレイド不織布をベースにしたサステナブル素材の開発チームです。

包装容器やパッケージ分野では、環境負荷の低減や法規制への対応が急速に求められるようになり、
素材選定の現場でも「どの素材が環境に配慮でき、かつ製品仕様に適しているのか」「コストや加工性はどうか」といった課題が浮かび上がっています。

近年、プラスチックごみによる地球環境や生態系への悪影響、法規制の強化を背景に、
「脱プラスチック(脱プラ)」への取り組みが加速しています。
脱プラとは、主に石油由来のプラスチックの使用を減らし、紙やバイオマス素材など環境負荷の少ない素材へ転換することを指します。

一方で、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックなど、原料が植物由来であっても
「プラスチック」であることに変わりはありません。
そのため、プラスチック素材そのものの使用量を抑える「減プラスチック(減プラ)」という考え方も重要視されています。
すべてを一度に石油由来プラスチックから置き換えるのは現実的に難しいため、
まずは使用量を抑える“減プラ”から段階的に取り組むことが、持続可能なアプローチといえるでしょう。

この記事では、脱プラ・減プラが求められる背景や、包装容器・パッケージ分野で注目される代替素材、
素材選びのポイントについて、現場の視点から解説します。

▼この記事の構成

1.“脱プラ”が求められる背景

2.脱プラを推進する包装容器・パッケージの代替素材

3.脱プラ容器の選定時に確認しておきたい5つのポイント

4.バイオマス由来の不織布『キナリト』で包装容器・パッケージの減プラへ

5.まとめ


1. “脱プラ”が求められる背景

包装容器やパッケージ分野では、脱プラスチック(脱プラ)への取り組みが世界的に加速しています。
その背景には、プラスチックごみによる地球環境や生態系への悪影響、ならびに各国で強化される法規制への対応が挙げられます。

プラスチックは石油由来の素材であり、製造や焼却の過程で多量のCO2を排出します。
これが地球温暖化の一因とされ、製品開発現場でもCO2排出量の少ない代替素材への転換が重要視されています。
また、プラスチックは自然環境下で分解されにくく、不適切な処分や投棄によって
海洋汚染やマイクロプラスチック化を引き起こし、海洋生物の生態系にも影響を及ぼす可能性があります。

こうした課題に対応するため、開発設計の段階からプラスチックごみの流出リスクを低減する素材の選定が求められています。
さらに、日本やEUなど主要国では、プラスチック製品に関する法規制が施行されており、企業には素材転換や環境配慮設計が義務化されています。

ここで、主要国のプラスチック法規制の概要を表にまとめます。

▼主要国の企業に対するプラスチック法規制(抜粋)

このような規制に対応するためには、LCA(ライフサイクルアセスメント)やサプライチェーン全体での資源循環設計が不可欠です。
持続可能な社会の実現に向けて、包装容器・パッケージ分野でも、環境負荷の少ない素材への転換が今後ますます重要となります。

出典:環境省『プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の概要』農林水産省『概要レポート 第13回:EUの使い捨てプラスチック指令


2. 脱プラを推進する包装容器・パッケージの代替素材

包装容器・パッケージ分野における脱プラスチック素材への転換は、環境負荷の低減だけでなく、
加工性やコスト、既存設備との適合性など、さまざまな観点からの検討が求められています。
近年では、用途に応じた多様な代替素材が登場しており、製品開発や素材選定に携わる担当者にとって、選択肢が広がっています。

代表的な脱プラ素材としては、紙素材、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック、セルロース複合材などが挙げられます。
それぞれの素材には、環境特性や加工性、コスト、用途例などに違いがあり、目的や条件に応じた選定が重要です。

ここで、主要な代替素材の特徴を比較した表を示します。

▼包装容器・パッケージの代替素材比較表

それぞれの代替素材の特徴について詳しく解説します。

➀紙素材

紙素材は、木材パルプなどの再生可能資源を原料とし、生分解性やリサイクル性に優れていることから、脱プラの取り組みで最も普及が進んでいる素材の一つです。
ここでは、包装容器・パッケージに使われる代表的な紙素材として「パルプモールド」「紙製バリア素材」「ラミネート紙」の3種類を紹介します。

パルプモールド

パルプモールドは、木材パルプを原料として、水と混ぜて成形・乾燥させることで作られる立体的な包装容器です。
強度や緩衝性に優れており、精密機器や雑貨の梱包、食品容器など幅広い用途で利用されています。
プラスチック成形品のように複雑な形状での成形が可能であり、環境負荷の低減と機能性を両立できる点が特徴です。

紙製バリア素材

紙製バリア素材は、紙基材の表面に空気・水分・香気などを遮断するバリアコートを施したパッケージ資材です。
プラスチック包装資材が持つ機能を代替できる素材として注目されており、密封性・防湿性に優れ、内容物の保護に適しています。
食品包装や化粧品のパウチ、乾燥剤の袋などに活用されています。

ラミネート紙

ラミネート紙は、木材パルプを原料とした紙基材の表面にセロハンなどのラミネートフィルムを使用した素材です。
耐水性や強度が高く、紙ラベルの印刷面の色落ち防止や摩擦からの保護に役立ちます。
商品ラベルやパッケージの装飾、ギフト包装などに使用されており、意匠性と機能性を兼ね備えています。

②バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチックは、サトウキビやトウモロコシなどの植物由来の再生可能な有機資源を原料とするプラスチック素材です。
原料となる植物は成長過程で二酸化炭素を吸収するため、焼却時に排出されるCO2と均衡させることができ、
カーボンニュートラルの観点から環境負荷の低減に寄与します。生分解性を持つものと持たないものがあり、用途や目的に応じて使い分けられています。

代表的なバイオマスプラスチックには、

  • PLA(ポリ乳酸):トウモロコシやサトウキビ由来。生分解性を持ち、食品容器やカトラリーなどに利用される。
  • バイオPE(バイオポリエチレン):サトウキビ由来。従来のPEと同等の物性を持ち、レジ袋やボトルなどに利用される。

バイオマスプラスチックは、コンビニの弁当容器やスーパーのレジ袋、化粧品のボトルなど幅広い用途で導入が進んでいます。
生分解性を持たないものもありますが、原料となる植物が成長過程でCO2を吸収するため、全体として温室効果ガスの排出抑制に貢献します。

③生分解性プラスチック

生分解性プラスチックは、自然環境下で微生物の働きによって水と二酸化炭素に分解される性質を持つプラスチック素材です。
海洋や土壌に流出した場合でも、一定の条件下で分解されるため、環境汚染のリスクを抑える素材として注目されています。
原料には化石資源由来とバイオマス由来の2タイプがあり、使用される樹脂ごとに分解条件や速度が異なります。

代表的な生分解性プラスチックには、

  • PLA(ポリ乳酸):トウモロコシやサトウキビなどの植物由来。生分解性を持ち、食品容器やカトラリー、農業用フィルムなどに利用される。
  • PBS(ポリブチレンサクシネート):化石資源またはバイオマス由来。柔軟性と生分解性を兼ね備え、食品トレーや農業用フィルム、使い捨てカトラリーなどに活用される。
  • PBAT(ポリブチレンアジペートテレフタレート):主に化石資源由来。柔軟性が高く、生分解性フィルムや袋、農業用マルチフィルムなどに利用される。

生分解性プラスチックは、用途や分解条件に応じて使い分けられており、食品トレーや農業用フィルム、
使い捨てカトラリーなど幅広い分野で導入が進んでいます。
ただし、コストや加工性の面で課題が残る場合もあり、今後の技術開発や普及拡大が期待されています。

④セルロース複合材

セルロース複合材は、木材パルプ由来のセルロースと石油由来樹脂などを組み合わせて成形されるハイブリッド素材です。
紙とプラスチックの長所を併せ持ち、意匠性や成形性に優れているため、雑貨やギフト容器、化粧品容器など幅広い用途に対応できます。
プラスチック使用量を削減しつつ、強度や耐久性も確保できる点が特徴です。

代表的なセルロース複合材には、

  • セルロースプラスチック:木材パルプ由来のセルロースと樹脂を組み合わせた素材。
    複雑な形状やデザインにも対応でき、印刷や加飾も可能です。ギフトボックスやステーショナリー、化粧品容器などに利用されています。
  • セルロースナノファイバー複合材:木材パルプから抽出した微細なセルロース繊維(セルロースナノファイバー)を樹脂に混合した素材。
    軽量で高強度、高耐熱性を持ち、従来のプラスチックよりも環境負荷を低減できる点が注目されています。
    自動車部品や家電、包装容器など、さまざまな分野で応用が進んでいます。

セルロース複合材は、成形性や意匠性に優れており、複雑な形状にも対応できるほか、
強度・耐久性を確保しつつプラスチック使用量を削減できる点が特徴です。
印刷や加飾にも対応でき、ギフトボックスやステーショナリー、化粧品容器などに使われています。


3.脱プラ容器の選定時に確認しておきたい5つのポイント

脱プラスチック素材への転換は、環境負荷の低減だけでなく、製品仕様や製造工程への適合性も重要な検討事項となります。
環境に配慮した素材であっても、実際の製品開発や運用においては、さまざまな条件を満たす必要があります。
包装容器・パッケージの代替素材を選定する際には、以下の5つのポイントを事前に確認することが重要です。

1.必要な機能(強度・防湿性・意匠性)を満たすか

強度・防湿性・密封性・意匠性など、製品に求められる基本性能を確保できるか確認します。
特に食品や化粧品など、内容物の保護が重要な製品では、機能性の検証が不可欠です。

2.加工・印刷・成形の適性

素材が既存の加工技術(成形、印刷、ラミネートなど)に対応しているか確認します。
加工適性が低い場合、製造工程の変更や追加設備が必要になる可能性があります。

3.既存設備との親和性

現在使用している製造設備で加工できるかどうかは、導入コストやスピードに大きく影響します。
既存ラインで対応可能な素材であれば、スムーズな切り替えが可能です。

4.LCA(ライフサイクルアセスメント)での環境評価

原料調達から廃棄までの環境負荷を定量的に評価することで、真に持続可能な素材かどうかを判断できます。
CO2排出量やリサイクル性、生分解性などの指標を比較検討しましょう。

5.コストと調達性のバランス

素材の単価だけでなく、安定供給の可否や加工コストも含めた総合的なコスト評価が必要です。
環境配慮とコストの両立が難しい場合は、まずは“減プラ”から始めるのも有効です。

このように、脱プラ容器の素材選定では、環境特性だけでなく、機能性や加工性、コスト、設備適合性など多角的な視点が求められます。
これらのポイントを事前に確認することで、持続可能な製品開発と安定した運用につなげることができます。


4.バイオマス由来の不織布『キナリト』で包装容器・パッケージの減プラへ

包装容器・パッケージ分野では、すべてのプラスチックを一度に環境配慮型素材へ置き換えることは現実的に難しい場合も多く、
まずはプラスチック使用量そのものを抑える“減プラ”の取り組みが重要となっています。

こうした現場の課題に応えるため、王子キノクロス株式会社が開発したバイオマス不織布『キナリト』は、
バイオマスマーク認定95%という高いバイオマス度を誇ります。
また、『キナリトLEAF』もバイオマス度60%以上と高水準を維持しつつ、柔軟性や耐久性にも優れています。
このように、キナリトシリーズは高いバイオマス度と加工性を両立し、減プラの実現に向けた有力な選択肢となっています。

『キナリト』は、木材パルプを主原料とする植物由来のセルロースやバイオマスプラスチックを使用した不織布です。
包装材として必要な強度を確保しつつ、柔らかく扱いやすい素材感を実現しています。
紙では難しい複雑な形状やデザインにも対応でき、製品の付加価値を高めることが可能です。
特定の条件下で微生物により分解され、使用後に自然に還る性質を持っています。
植物繊維特有のやさしい質感が、ギフトや雑貨のパッケージに適しています。

ここで、『キナリト』の主な特長を表にまとめます。

▼キナリトの特長

『キナリト』は、ギフトボックス、雑貨、ステーショナリーなど、意匠性と機能性が求められる分野での採用実績があります。
また、より耐久性を高めたバリエーションとして『キナリトLEAF』も展開しており、
繰り返し使用されるパッケージや負荷が高い用途にも対応可能です。

このように、バイオマス由来の不織布『キナリト』は、環境配慮と加工性を両立した素材として、
包装容器・パッケージ分野における減プラの選択肢を広げています。
用途や形状に応じて柔軟に対応できる素材を選ぶことで、脱プラへの一歩を着実に進めることができます。

特設サイト:「キナリト」「キナリトLEAF」-自然が紡ぐ未来-


5.まとめ:脱プラ容器は「素材選び」から始まる

包装容器・パッケージ分野における脱プラスチックの取り組みは、環境への配慮だけでなく、
製品の機能性や加工性とのバランスを考慮した素材選びが重要です。

この記事では、脱プラが求められる背景、包装容器・パッケージの代替素材の種類、素材選定時のポイント、
そしてバイオマス由来の不織布『キナリト』の特長について解説しました。

脱プラ素材には、紙素材、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック、セルロース複合材など多様な選択肢があります。
ただし、これらの素材は従来のプラスチックと比べてコストが高くなる場合や、強度や防湿性などの機能面で課題が残る場合もあります。
そのため、すべてを一度に置き換えるのではなく、まずは使用量を抑える“減プラ”から取り組むことが、現実的かつ持続可能なアプローチといえるでしょう。

バイオマス由来の不織布『キナリト』のように、環境配慮と加工性を両立した素材も登場しています。
用途や形状に応じて柔軟に対応できる素材を選ぶことで、脱プラへの一歩を着実に進めることができます。

今後の展望としては、法規制のさらなる強化や国際的な基準の統一が進むことが予想されます。
これに伴い、より高機能かつ環境負荷の少ない新素材の開発・実用化が加速しています。
特に、バイオマス由来や生分解性素材、セルロースナノファイバーなどの先端技術を活用した製品は、今後の主流となる可能性があります。
また、LCA(ライフサイクルアセスメント)や資源循環設計の重要性が高まる中、
企業には持続可能な素材選定と運用体制の構築が求められます。
新素材の普及状況や技術開発の動向を常に把握し、柔軟に対応することが、今後の製品開発において不可欠となるでしょう。

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