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トナーパッドに適した不織布素材の特徴と選び方

Date 2025.12.25

トナーパッドに適した不織布素材の特徴と選び方のサムネイル

私たちはコスメ用エアレイド不織布『パルクロス』の開発チームです。

トナーパッドは、化粧水や美容液をあらかじめパッドにしみ込ませておき、開封後すぐ使えるスキンケアシートです。
コットンなどのパフと化粧水を別々に準備する必要がないため、取り出してそのまま拭き取り、または必要な部位に短時間当てて保湿する使い方に適しています。

この記事では、市場の背景、使い方と他アイテム(パフ・フェイスマスク)との違い、素材を選ぶ際の着眼点の順で説明します。

▼この記事の構成

1.トナーパッド市場の動向
2.トナーパッドの使い方と他アイテムとの違い
3.基材選定のコツ—保水性・放出性・肌触り
4.素材と構造の比較—用途別の向き・不向き
5.パルクロス—トナーパッド設計に使える基材の一例
6.まとめ


1.トナーパッド市場の動向

トナーパッドは、韓国のスキンケアブランドが継続的に紹介してきたことをきっかけに、
「取り出してすぐ使えるシート化コスメ」として広く知られるようになりました。
日本でも、忙しい朝や外出前、ジムや旅行など、短時間で手軽にスキンケアを済ませたい場面で使われることが増えています。
最近では、時短やマルチユースを重視する方々や、若い世代、子育て中の方など、幅広い層に支持されているのが特徴です。

市場全体としては、トナーパッドの需要は年々高まっており、今後10年も安定した成長が見込まれています。
例えば、世界市場では2020年から2024年にかけて約29億ドルから35億ドルへと拡大し、
2025年には37〜39億ドル、2035年には64〜66億ドルに達する予測も出ています。
特にアジア太平洋地域が成長を牽引しており、韓国では機能性を重視した新商品が次々と登場しています。

日本やアメリカでは、安定した成長とともに、使い勝手や肌へのやさしさ、衛生面への配慮など、
細かなニーズに応える商品が増えているのも最近の傾向です。
また、トナーパッドは「拭き取り」「保湿」「角質ケア」「パック代用」など、
使い方のバリエーションが豊富なことも人気の理由です。

容器やパッケージも進化しており、乾燥を防ぐ密閉構造や、
衛生的に使えるピンセット付きタイプなど、使いやすさを追求した工夫が目立ちます。
ECサイトやドラッグストアでの取り扱いも増え、レビューやSNSでの情報発信を参考に、
自分の肌悩みに合った商品を選ぶ方が多くなっています。

このように、トナーパッドは日々のスキンケアをより手軽に、より効果的にしたいというニーズに
応えるアイテムとして、今後もますます注目されていくと考えられます。


2.トナーパッドの使い方と他アイテムとの違い

トナーパッドは、容器から一枚ずつ取り出してすぐに使える手軽さが魅力です。
洗顔後やメイク前、外出先など、さまざまなシーンで活躍します。

まず顔全体を軽く拭き取ったあと、乾燥しやすい頬や目元などに短時間当てて保湿するのが基本的な使い方です。
パッドの表面は、商品によって凹凸があったり、平らだったりと設計に違いがあります。
凹凸面は角質や皮脂の拭き取りに、平らな面は美容液を肌になじませるのに適しているものもありますが、
シンプルな構造のものも多く、使い方や目的に合わせて選ぶことができます。

パフとの違いは、化粧水を別に用意する必要がなく、
あらかじめ適量の液が含まれているため、毎回同じ仕上がりを得やすい点です。
パフは自分で液量や塗布方法を調整できる自由度がありますが、
トナーパッドは忙しい朝や外出先など、手早くケアしたいときに特に便利です。

フェイスマスクとの違いは、使う時間やカバーする範囲にあります。
フェイスマスクは顔全体を数分から十数分かけてじっくり保湿するのが一般的ですが、
トナーパッドは短時間で拭き取りと部分的な保湿を切り替えられるため、
スキンケアにかける時間を短縮したいときや、気になる部分だけを集中的にケアしたいときに向いています。

項目

トナーパッド

パフ

フェイスマスク

手軽さ

液量の均一性

保湿力

部分ケア

時短性

また、トナーパッドはパックのように数枚を重ねて使うこともでき、
ニキビや肌荒れが気になる部分に集中して当てるなど、用途の幅が広いのも特徴です。

最近では、洗顔の代わりや軽いメイク落としとして使えるタイプも登場しており、
朝の時短ケアや夜のリラックスタイムなど、ライフスタイルに合わせてさまざまな使い方ができるアイテムとなっています。

容器やパッケージも進化しており、乾燥を防ぐ密閉構造や、
衛生的に使えるピンセット付きタイプなど、使いやすさへの工夫が増えています。

使い終わったパッドに残った美容液で、ひじやかかとなど全身の保湿ケアに活用する方も増えています。

アイテム

用途

使い方

特徴

トナーパッド

部分保湿・拭き取り

化粧水を含ませて顔の一部に貼付

保水性化と放出性のバランスが重要

パフ

拭き取り・パッティング

化粧水を含ませて軽く叩く

繊維残りや液保持性に課題

フェイスマスク

全顔保湿

シート全体を顔に貼付

高保水性・長時間保持が特徴


3.基材選定のコツ—保水性・放出性・肌触り

トナーパッドの使い心地や機能性は、「保水性」「放出性」「肌触り」の3つのポイントで大きく左右されます。
どの基材を選ぶかによって、スキンケアの満足度や使いやすさが変わってくるため、
選定時にはそれぞれの特徴をしっかり確認することが大切です。

まず「保水性」ですが、これはパッドがどれだけ水分をしっかり抱え込んでくれるかを示します。
容器の中で乾きにくいこと、取り出した後もすぐに水分が飛ばないことが理想です。
基材が薄すぎると乾きやすくなり、逆に厚すぎると液が出にくくなることもあるため、
用途に合った厚みや目付の設計がポイントになります。

次に「放出性」です。
これは、パッドから肌へ必要な量の液がきちんと移るかどうかを表します。
拭き取りや保湿の際に、液が出にくいと感じる場合は、基材の厚みや処方の粘度、
表面のなめらかさなどが影響していることがあります。
逆に、液が出すぎてしまうと摩擦が強くなり、肌への刺激につながることもあるため、
バランスの取れた設計が求められます。
目付や含浸量、粘度のバランスを調整し、必要に応じて表面の凹凸や両面の設計を
工夫することで、最適な放出性を目指します。

最後に「肌触り」です。
パッドを肌に当てたときのなめらかさや、繊維の毛羽立ち、刺激の少なさなどが評価のポイントになります。
取り出すときによれたり、角がめくれやすいと使い勝手が下がるため、柔軟性や寸法の安定性も大切です。
毛羽立ちや摩擦が気になる場合は、表面の繊維やエンボス加工の深さを見直すことで、
より快適な使い心地に近づけることができます。

このように、保水性・放出性・肌触りの3つの観点から基材を評価し、用途や処方に合わせて
細かく調整していくことが、満足度の高いトナーパッドづくりのコツです。


4.素材と構造の比較—用途別の向き・不向き

トナーパッドに使われる不織布には、主に「スパンレース」と「エアレイド」という製法がよく使われています。

スパンレースは、レーヨンやコットン、パルプなどのセルロース系素材を高圧水流で絡ませて作る方法です。
なめらかで肌触りが良く、拭き取りやパッティング用途に適しています。
原料や設計によって保水性や放出性が変化し、コットン主体の場合は特に肌触りの柔らかさが重視されます。

一方、エアレイドはパルプ主体の短繊維を乾式で成形する方法です。
空隙が多い構造となり、液をしっかり抱え込むため保水性に優れています。
設計によって放出性や肌触りも調整可能であり、例えば当社の「パルクロス」は表面にレーヨン層を設けることで
肌ざわりをより良く仕上げたエアレイド不織布の一例です。

▼基材ごとの保水性・放出性・肌触り評価

製法

主原料

保水性

放出性

肌触り

スパンレース

レーヨン・パルプ・コットン

中程度~高い

良好

なめらか~やわらかい

エアレイド

パルプ主体

高い

やや低い~良好

ふんわり~やわらかい

主な原料は、パルプやレーヨン、コットンなどのセルロース系素材です。
これらは水分をよく吸収し、肌当たりもやさしいため、スキンケア用途に適しています。
強度や取り出しやすさを高めたい場合は、セルロース系に親水性の合成繊維を混ぜたり、表面にレーヨン層を重ねたりする設計もあります。

用途に合わせて、
・顔全体の拭き取りを重視するなら、滑りの良いスパンレース
・部分的な保湿を重視するなら、液をしっかり抱え込むエアレイド
・低刺激や肌へのやさしさを重視するなら、レーヨンやコットンの表層
など、素材や構造を選ぶことで、より満足度の高い使い方ができます。

このように、トナーパッドの素材や構造は、使う場面や目的に合わせて選ぶことが大切です。
自分の肌悩みや使い方に合ったものを選ぶことで、毎日のスキンケアがより快適になります。


5.パルクロス—トナーパッド設計に使える基材の一例

パルクロスは、パルプを主原料とし、表面にレーヨン層を設けたコスメ用不織布です。
エアレイド法によって作られるこの素材は、空隙が多い構造になっているため、液をしっかり抱え込むことができます。

トナーパッドに求められる「保水性」「放出性」「肌触り」の3つのポイントは、
目付や厚み、密度、含浸量、処方の粘度などを調整することで対応できます。

保水性については、空隙に液が入り込みやすく、乾きにくい状態を作りやすいのが特徴です。
目付や厚み、密度、含浸量のバランスを整えることで、必要な液量をしっかり保持できます。

処方の粘度が高い場合は、基材の密度や構造を調整し、空隙を確保することで乾燥しにくくする工夫が考えられます。
具体的な設計方法については、用途や処方に応じて最適化を図ります。

放出性については、表面のレーヨン層がなめらかなので、一度に液が出すぎることなく、
必要な分だけ肌に移りやすい設計になっています。
使ってみて液が出すぎる場合は含浸量を少し減らす、逆に出にくい場合は含浸量や
目付を調整することで、使い心地を細かく調整できます。

肌触りについては、レーヨン層のおかげでなめらかで毛羽立ちが少なく、
刺激を抑えた触感を保ちやすいのが特徴です。
拭き取りと保湿の両方に使っても、肌への負担が少なく、快適な使い心地が続きます。
摩擦が気になる場合は、当てる時間を短くしたり、動かす回数を減らすことで、より安定した使用感が得られます。

基材

保水性

放出性

肌ざわり

パルクロス

高い

良好

ふんわりやわらか

このように、パルクロスはトナーパッドの基材として、保水性・放出性・肌触りのバランスを細かく調整できる素材です。
用途や処方に合わせて設計することで、さまざまなスキンケアシーンに対応できるのが大きな魅力です。

パルクロスの詳細についてはこちら

美容液たっぷり、高密着コスメ用不織布「パルクロス」


6.まとめ—基材選定の要点

トナーパッドの設計では、製法や原料の特性を踏まえながら、
「保水性」「放出性」「肌触り」の3つのポイントをバランスよく整えることが大切です。

スパンレースやエアレイドなどの製法によって、液の保持力や肌へのなじみ方が変わるため、
用途や使うシーンに合わせて選ぶことが、満足度の高い仕上がりにつながります。

基材の設計では、目付や厚み、密度、含浸量、処方の粘度など、細かな要素を調整しながら、
過不足なく液が出る状態を目指します。
過度な加工に頼らず、素材本来の構造や表面の工夫を活かすことで、使いやすさと安定した品質を両立できます。

また、保水性・放出性・肌触りの評価は、実際の使用シーンや処方に合わせて何度も見直しながら進めることが重要です。
朝の拭き取り中心の設計では、液の出方や滑りの良さを重視し、夜の保湿中心の設計では、
保水力や刺激の少なさを優先するなど、使う場面によって評価軸の重みを切り替えることもポイントです。

このように、トナーパッドの基材選定は、細かな調整と実際の使い心地の両方を大切にしながら進めていくことで、
より満足度の高い製品づくりにつながります。

出典・参考:

  • Future Market Insights(FMI)『Toner Pads Market』(2025–2035)
  • Fact.MR『Toning Pads Market』(2025–2035)
  • EDANA(欧州不織布協会)『How are nonwovens made』
  • Unitika 不織布事業『Spunlace Consumer Products(Cosmetic)』
  • Cotton Council/Fleissner『Nonwovens & Lifestyle — Spunlaced and Airlaid Nonwovens for Medical/Personal Care』

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