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高吸水性樹脂(SAP)とは?シート化技術で広がる活用方法と用途

Date 2025.11.26

高吸水性樹脂(SAP)とは?シート化技術で広がる活用方法と用途のサムネイル

私たちは高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer)を活用したシート製品を開発しているチームです。

高吸水性樹脂(高吸収性樹脂とも呼ばれます)は、生理用吸収体や紙おむつなどの衛生用品をはじめ、農業資材や土木分野など幅広い用途で利用されている高分子化合物です。
自重の数百倍から数千倍もの水分を吸収し、スポンジやタオルとは異なり外部から圧力が加わっても液体を保持し続けやすい特性を持っています。
こうした優れた吸水性・保水性に加え、膨潤性や耐久性も備えているため、従来の素材では対応しきれなかった分野にも応用が広がっています。

高吸水性樹脂(SAP)をシート化する技術を用いることで、取り扱いや加工性の向上、製品設計の自由度の拡大など、さまざまなメリットが得られます。

この記事では、高吸水性樹脂(SAP)の基本的な性質や吸水の仕組み、主な用途、そして不織布への配合によるシート化のメリットについて解説します。
さらに、最新の市場動向や将来の技術展望についてもご紹介します。

▼この記事の構成

1.高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)とは
2.高吸水性樹脂の種類・組成・製造プロセス
3.高吸水性樹脂の吸水原理と性能評価
4.高吸水性樹脂の主な用途と市場動向
 4-1. 衛生用品・日用品
 4-2. 農業・産業・防災・医療
5.高吸水性樹脂シート化技術とそのメリット
 5-1. シート化による製品設計の自由度
 5-2. 不織布への配合技術
6.SAPシートの未来展望――バイオベースSAPと環境対応型製品の可能性
7.まとめ


1.高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)とは

高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer、または高吸収性樹脂)は、自重の数百倍から数千倍もの水分を吸収できる高分子化合物です。

吸収した水分はゲル状に保持され、液体が外部に漏れにくくなるという特徴があります。
スポンジやタオルとは異なり、外部から圧力が加わっても液体を保持し続けやすい特性を持っています。
高吸水性樹脂は、吸水性・保水性に加えて、水分を吸収して膨らむ膨潤性や、長期間の使用にも耐える安定性を備えています。

衛生用品や農業資材、土木資材など、幅広い分野で活用されている素材です。
使用目的に応じて粒径や吸水速度、保持力などの性能を最適化できるため、製品に求められる機能に合わせた活用が可能です。

日本語では「高吸水性樹脂」のほか、「高分子吸水性樹脂」「高分子吸収体」「高吸収性樹脂」「高吸水性ポリマー」など、複数の呼称が存在します。
いずれも水分を効率よく吸収・保持する性質を持つ高分子材料を指しています。

高吸水性樹脂は、従来の素材では実現できなかった吸水・保水性能を持ち、さまざまな用途で重要な役割を果たしています。


2.高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)の種類・組成・製造プロセス

高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)は、その組成や製造方法によっていくつかのタイプに分類されます。
主な分類方法は、組成面、不溶化方法、親水化方法、製品形態、製造方法です。

組成面では、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系に大別されます。
現在、世界市場の主流はポリアクリル酸ナトリウム系の高吸水性樹脂です。
コストパフォーマンスと吸水性能のバランスが良く、衛生用品を中心に広く使われています。

不溶化方法としては、グラフト重合や橋かけ剤の共重合、水溶性ポリマーの三次元化、放射線照射などが挙げられます。

親水化方法には、親水性モノマーの重合やカルボキシメチル化反応、グラフト重合、加水分解反応などがあります。

製品形態は、粉末状、球形、無定形、フィルム状、繊維状、不織布など多岐にわたります。
用途や加工方法に応じて最適な形態が選ばれます。

製造方法としては、水溶液重合法と逆相懸濁重合法が主流です。
水溶液重合法では、アクリル酸やアクリル酸ナトリウムを主原料とし、重合触媒や架橋剤を加えて反応させます。
逆相懸濁重合法では、有機溶剤中でモノマーを懸濁し、重合・乾燥・粉砕を経て球形の高吸水性樹脂を得ます。

近年は、表面架橋や添加剤導入による性能向上も進んでいます。
高吸水性樹脂は、橋かけされた高分子電解質のイオン網目理論に基づき、浸透圧によって水分を吸収する性質があります。

高吸水性樹脂(SAP)の分類と特徴一覧表。組成、不溶化方法、親水化方法、製品形態、製造プロセスごとに主なタイプと特徴をまとめた表。
高吸水性樹脂(SAP)の分類と特徴|組成・製造方法・形態の違いを一覧で解説 高吸水性樹脂(SAP)は、組成(デンプン系・セルロース系・合成ポリマー系)、不溶化方法(グラフト重合・橋かけ剤共重合など)、親水化方法(親水性モノマー重合・加水分解反応など)、製品形態(粉末状・球形・フィルム状・不織布など)、製造プロセス(水溶液重合法・逆相懸濁重合法)など、さまざまな分類項目で特徴が分かれます。本表では、SAPの主なタイプと特徴を一覧で整理し、用途や目的に応じた選択ポイントをわかりやすくまとめています。

3.高吸水性樹脂の吸水原理と性能評価

高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)の吸水メカニズムは、橋かけされた高分子電解質のイオン網目理論によって説明されます。

SAPは、分子鎖の間に架橋構造を持つ高分子電解質であり、ゲル内部の可動イオン濃度が外部より高くなることで浸透圧が発生し、水分子が内部に引き込まれます。
これにより、SAPは自重の数百倍から数千倍もの水分を吸収し、ゲル状に保持することができます。
この浸透圧による吸水は、スポンジやタオルなどの毛細管現象による吸収とは異なります。
毛細管現象は繊維間の隙間に水分が吸い上げられる物理的な現象ですが、SAPは分子レベルで水分子を引き込むため、外部から圧力が加わっても液体を保持し続けやすい特性を持っています。

特に衛生材料用途では「加圧下でも水分を保持する性能」が求められ、SAPはこの点で優れた機能を発揮します。
吸水力には、外部溶液のイオン濃度やSAPの親水基(-COOH、-COONa)の量、橋かけ密度などが影響します。
イオン濃度が高いほど吸水力は低下し、親水基が多いほど吸水力は高くなります。
また、橋かけ密度が高いほど分子鎖の広がりが制限され、吸水力は低下します。

高吸水性樹脂の性能評価では、吸水量(g/g)、吸水速度、保持力などの指標が用いられます。
粒径や吸水速度、保持力などは用途に応じて最適化でき、加圧下での保持性能は衛生用品用途で特に重要です。
評価方法としては、無荷重下での吸水量測定、加圧下での保持力試験、吸水速度試験などが一般的です。

下図は、SAPの吸水メカニズム(浸透圧)と毛細管現象の違いを示しています。
SAPは分子レベルで水分子を引き込み、スポンジは繊維間の隙間に水が吸い上げられるという違いがあります。

高吸水性樹脂は、こうした吸水原理と性能評価の観点から、衛生用品をはじめとする多様な分野で重要な役割を果たしています。
今後も用途や性能に応じた最適化が進み、さらなる技術革新が期待されています。


4.高吸水性樹脂の主な用途と市場動向

高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)は、衛生用品・日用品をはじめ、緑化・農業・園芸、土木・電気通信など、さまざまな分野で活用されています。
吸水・保水・膨潤といった特性を活かすことで、従来の素材では対応しきれなかった用途にも応用が広がっています。

 4-1.衛生用品・日用品

高吸水性樹脂は、高い吸水性能と加圧下でも液体を保持できる保水性を備えています。
生理用品や紙おむつなど、体液を迅速かつ確実に吸収・保持することが求められる衛生用品に広く利用されています。
粒径や吸水速度を調整することで、昼用・夜用など用途に応じた性能設計が可能です。
簡易トイレ用吸収シートや首周り冷却シートなど、日常生活のさまざまな場面でも活用されています。

 

▼衛生用品・日用品の分野における高吸水性樹脂の活用例

高吸水性樹脂(SAP)の衛生用品分野での活用例一覧表。生理用品用吸収体、紙おむつ・失禁用品、簡易トイレ用吸収シート、首周り冷却シートの特徴と用途をまとめた表。
高吸水性樹脂(SAP)の衛生用品・日用品での活用事例と特徴一覧 高吸水性樹脂(SAP)は、生理用品用吸収体、紙おむつ・失禁用品、簡易トイレ用吸収シート、首周り冷却シートなど、衛生用品や日用品分野で幅広く活用されています。本表では、各用途ごとの特徴や性能設計のポイントを整理しています。SAPは吸収体の構造や粒径・吸水速度の調整によって、用途に応じた高い吸水性・保水性・機能性を発揮します。

 4-2.緑化・農業・園芸

高吸水性樹脂の保水性と膨潤性は、緑化・農業・園芸の分野において土壌に水分を保持するために有効です。
土壌に添加することで、土壌水分の蒸発速度を低下させたり、植物が給水しやすい有効水を増加させたりする効果が期待できます。
灌漑頻度の低減や、乾燥地での収量向上、都市部の屋上緑化など、幅広い用途で利用されています

 

▼緑化・農業・園芸の分野における高吸水性樹脂の活用例

高吸水性樹脂(SAP)の農業・園芸分野での活用例一覧表。水やり効率化、砂漠の緑化、乾燥地の植栽の特徴と用途をまとめた表。
高吸水性樹脂(SAP)の農業・園芸分野での活用事例と特徴一覧 高吸水性樹脂(SAP)は、農業や園芸分野で水やりの効率化、砂漠の緑化、乾燥地の植栽などに活用されています。本表では、灌漑頻度の低減や植物の生育安定化、限られた水資源の有効活用、屋上緑化など、SAPの保水性・膨潤性を活かした用途ごとの特徴を整理しています。乾燥地や都市部でも、SAPの活用により持続可能な農業・緑化技術が実現できます。

 4-3.土木・電気通信

土木・電気通信の分野では、高吸水性樹脂の膨潤性と耐久性が生かされています。
吸水に伴って膨らむ性質を利用し、地下水や海水が漏れるリスクがある場所の工事で隙間を素早く塞ぐ用途に活用されています。
海底ケーブルの止水テープや地下トンネルの漏水対策など、長期的な耐久性が求められる場面でも高吸水性樹脂が重要な役割を果たしています。

 

▼土木・電気通信の分野における高吸水性樹脂の活用

高吸水性樹脂(SAP)の農業・園芸分野での活用例一覧表。水やり効率化、砂漠の緑化、乾燥地の植栽の特徴と用途をまとめた表。
高吸水性樹脂(SAP)の農業・園芸分野での活用事例と特徴一覧 高吸水性樹脂(SAP)は、農業や園芸分野で水やりの効率化、砂漠の緑化、乾燥地の植栽などに活用されています。本表では、灌漑頻度の低減や植物の生育安定化、限られた水資源の有効活用、屋上緑化など、SAPの保水性・膨潤性を活かした用途ごとの特徴を整理しています。乾燥地や都市部でも、SAPの活用により持続可能な農業・緑化技術が実現できます。

4-4.市場動向

近年、高吸水性樹脂(SAP/高吸収性樹脂)の世界市場は急速に拡大しています。
2025年時点での市場規模は約378万トン、2030年には456万トン規模に達する見込みです。

用途別では、衛生用品分野が市場の中心を占めており、紙おむつや生理用品の需要拡大が全体の成長を牽引しています。
加えて、農業・園芸、土木・電気通信、医療・防災などの分野でも活用が進み、用途の多様化が市場拡大の要因となっています。

地域別では、先進国に加え、新興国での生活水準向上や衛生意識の高まりにより、需要が急増しています。
特にアジア地域では、人口増加や都市化の進展に伴い、衛生用品や農業用途での高吸水性樹脂の需要が拡大しています。

また、環境規制やサステナビリティへの要求が高まる中、製品の高機能化や新たな用途開発も進んでいます。
主要メーカーによる技術革新や供給体制の強化も、市場成長を後押ししています。
このように、高吸水性樹脂市場は今後も安定した成長が期待されており、用途の広がりとともに、さらなる市場拡大が見込まれています。


5. 高吸水性樹脂シート化技術とそのメリット

高吸水性樹脂(SAP)をシート化する技術は、さまざまな分野で製品開発の可能性を広げています。
粉体のままでは扱いにくいSAPも、不織布に配合してシート状に加工することで、用途や性能の幅が大きく広がります。

5-1. シート化による製品設計の自由度

高吸水性樹脂を不織布に配合してシート化することで、SAPを均一に分散させながら柔軟性や通気性を持たせることが可能です。
加工性や積層性にも優れており、複合材料としての展開にも適しています。
シート化の過程で機能を付加したり、複合化したりすることもできるため、製品設計の自由度が高まります。
取扱性や施工性の向上、性能の均一化など、さまざまなメリットが得られます。

 ▼高吸水性樹脂をシート化するメリット

  • 取扱性の向上
  • 加工・施工性の向上
  • 均一に分散させることによる性能の均一化
  • シート化の過程における機能の付加・複合化

生理用吸収体や紙おむつなどの衛生用品の製造では、解繊パルプに高吸水性樹脂をオンラインで散布しながら吸収体を形成する方式が広く採用されています。
海外では生理用ナプキンの薄型化ニーズは以前から顕著であり、近年では中国をはじめとする海外市場で、赤ちゃん用紙おむつなどの薄型化ニーズが高まっています。
こうした市場動向を受けて、SAPをあらかじめシート化する技術が注目されています。
シート化したSAPを吸収体として使用することで、吸収体形成装置が不要となり、よりコンパクトな設備での製造が可能になります。

5-2. 不織布への配合技術

当社では、水を使わない乾式製法(エアレイド法)によって、高吸水性樹脂(SAP)を配合した不織布を生産しています。
衛生用品から土木資材、産業資材までといった幅広い用途に対応しています。
用途ごとに、シートの厚みやSAPの配合量、柔軟性や強度など、求められる性能が異なります。

当社では2つの特徴的なプロセスを有しています。
衛生用品向けには薄型・柔軟性を重視したキノクロスプロセス、土木資材向けには高配合・耐久性・付加機能を重視したTDSプロセスとプロセスを使い分け、製品ごとに製品設計を行っています。

 

▼エアレイド法(乾式製法)の主なメリット

高吸水性樹脂(SAP)シート化技術の主なメリット一覧表。均一分散、高配合、複合化・機能付加、薄型・軽量化、製品設計の自由度向上の内容と用途例をまとめた表。
高吸水性樹脂(SAP)シート化技術のメリットと用途例一覧 高吸水性樹脂(SAP)を不織布にシート化することで、均一分散による性能安定化、高配合による特殊用途対応、複合化・機能付加、薄型・軽量化、製品設計の自由度向上など多くのメリットが得られます。本表では、各メリットの内容・効果と、衛生用品・土木資材・止水材・抗菌消臭シートなどの主な用途例を整理しています。SAPシート化技術は多様な分野で高機能製品の開発に活用されています。

 

▼当社の主なプロセスと特徴

高吸水性樹脂(SAP)シート化プロセスの比較表。キノクロスプロセスとTDSプロセスの主な用途と特徴・メリットをまとめた表。
高吸水性樹脂(SAP)シート化プロセスの比較|キノクロスプロセスとTDSプロセスの用途と特徴 高吸水性樹脂(SAP)のシート化には、衛生用品向けのキノクロスプロセスと、土木・産業資材向けのTDSプロセスがあります。本表では、それぞれのプロセスの主な用途と、薄型・柔軟性・通気性・肌触り・複合機能付加(キノクロス)、高配合・耐久性・厚み・強度・付加機能(TDS)などの特徴・メリットを整理しています。用途や目的に応じて最適なシート化技術が選択されています。

このように、エアレイド法による乾式製法と用途に応じたプロセス選択により、高吸水性樹脂シートは幅広い分野で安定した性能と設計自由度を両立しています。
詳細については、各製法や製品の特長を紹介する専用ページをご参照ください。

王子キノクロスのエアレイド不織布について


6. SAPシートの未来展望――バイオベースSAPと環境対応型製品の可能性

 

高吸水性樹脂(SAP)を取り巻く市場や技術は、持続可能性や環境負荷低減へのニーズの高まりを背景に、着実に変化しています。
近年では、従来の石油由来原料から、植物由来原料を活用したバイオベースSAPへの導入が拡大しつつあります。
バイオベースSAPは、再生可能資源を活用することで、環境負荷の低減やカーボンニュートラルへの貢献が期待されています。
市場全体に占める割合はまだ限定的ですが、欧州や一部の大手メーカーを中心に採用が進み、今後の成長が期待されています。

バイオベース高吸水性ポリマー(SAP)の世界市場は、2024年に約1億6,100万米ドルと推定され、2025年には1億7,300万米ドル、2031年には2億7,700万米ドルに達する見込みです。
年平均成長率(CAGR)は8.2%と高い伸びが予測されており、特にアジア太平洋地域や欧州での需要拡大が顕著です。
全体のSAP市場規模は、2025年に378万トン、2030年には456万トンに拡大すると予測されており、ベビー用おむつや大人用失禁パッド、農業用途の拡大が成長の核となっています。
バイオベースSAPの技術開発では、主原料としてトウモロコシ由来のデンプンやセルロース、バイオマスアクリル酸などが活用されており、吸水性や保持性、ゲル強度などの性能面で石油系SAPと同等以上を目指す研究が進んでいます。

欧州や日本の大手メーカーが商業化に取り組み、紙おむつや生理用品、農業用保水材などで採用が拡大しています。
用途別では、ベビー用おむつが市場の約65%を占め、パーソナルケアメーカーが市場収益の約80%を担っています。
農業用途や医療・環境分野でも年平均成長率6%前後と堅調な拡大が続いています。

コスト面でも、バイオベースSAPは近年徐々に安価になりつつあり、量産技術の進展や原料調達の最適化によって、従来よりも使いやすい価格帯での供給が可能となってきました。
これにより、環境対応型製品への切り替えや新規用途への展開が進みやすくなっています。

今後の課題としては、さらなるコスト競争力の向上や、バイオマス比率の拡大、性能・安定性の両立が挙げられます。
加えて、リサイクル技術の進化や、環境規制への対応も重要なテーマとなっています。

高吸水性樹脂シートの未来展望としては、環境対応型製品の開発とともに、持続可能な原料調達や製造プロセスの最適化、さらには新たな用途開発による市場拡大が重要なテーマとなっています。

今後も技術革新と社会的ニーズの変化に対応しながら、SAPシートの可能性はますます広がっていくでしょう。

さらに、バイオマス素材であるパルプを主原料とした当社のエアレイド不織布と、バイオベースSAPを組み合わせることで、より環境負荷の少ない高機能シート製品の開発や、これまでにない新しい用途の創出も期待されています。

今後、持続可能な原料調達と先進的な加工技術の融合によって、衛生用品・産業資材・農業分野など、多様な分野で新たな価値を提供できる可能性が広がっています。


 

7.まとめ

この記事では、高吸水性樹脂(SAP)の基礎知識から、種類・製法・吸水メカニズム、主な用途、市場動向、シート化技術、そしてバイオベースSAPをはじめとする未来展望まで、幅広く解説しました。

高吸水性樹脂は、衛生用品や産業資材、農業・土木分野など多様な用途で活用されており、環境対応型製品へのニーズの高まりとともに、技術革新が進んでいます。
当社では、水を使わない乾式製法(エアレイド法)による不織布シートの開発・製造を通じて、用途ごとに最適な製品設計を行い、持続可能な社会の実現に貢献しています。

今後は、バイオベースSAPやバイオマス素材との組み合わせによる新しい用途開発や、環境負荷低減・コスト競争力の向上を目指した技術革新がさらに進むことが期待されます。

詳細資料やサンプルをご希望の方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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参考文献・出典:

  • 富士経済「高吸水性樹脂(SAP)市場調査レポート2024」
  • MarketsandMarkets「Bio-based Super Absorbent Polymers Market - Global Forecast to 2031」
  • 日本吸水性樹脂工業会「高吸水性樹脂の基礎と応用」
  • Statista「Super Absorbent Polymer Market Size Worldwide」
  • 各社プレスリリース・技術資料(Nippon Shokubai, BASF, LG Chem等)

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