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【製造・開発担当者向け】シートマスクが乾燥する原因と保液性を高める素材・製法

Date 2025.09.09

【製造・開発担当者向け】シートマスクが乾燥する原因と保液性を高める素材・製法のサムネイル

私たちはコスメ用エアレイド不織布『パルクロス』の開発チームです。

シートマスク(フェイスマスク)は、近年のスキンケア市場においてユーザーからの需要が高い製品の一つです。
しかし、製造・開発の現場においては、「乾燥しやすい」「美容液がすぐに蒸発する」といった声にどのように応えるか、課題を抱えるケースも少なくありません。
乾燥を防ぐためには、美容液の処方やパッケージ設計に加え、保液性に優れた素材の選定が重要なポイントとなります。

この記事では、特に素材に焦点を当て、シートマスクが乾燥する主な原因や、乾燥を防ぐための製法、さらにエアレイド不織布を活用した高保液素材の特長について解説します。
製品開発における参考情報としてご活用ください。

▼この記事の構成

以下の流れで、シートマスク(フェイスマスク)の乾燥対策について解説します:

シートマスク(フェイスマスク)に使われる代表的な素材と特徴

シートマスクが乾燥する原因は2つ
➀ 使用環境や時間による乾燥
②素材や製法による保液性の違い

シートマスクの乾燥を防ぐ不織布の製法とは?

エアレイド不織布「パルクロス」の特徴と乾燥しにくい理由

まとめ:シートマスクの乾燥対策は素材と製法がカギ


シートマスクに使われる代表的な素材と特徴

現在、シートマスク(フェイスマスク)には多様な素材が採用されています。
代表的な素材として、ハイドロゲル、バイオセルロース、不織布の3種類が挙げられます。

▼代表的な素材と特徴

ハイドロゲル:高含水ゲル構造により密着性と保水性に優れる一方、重量と製造コストは高め。	バイオセルロース:発酵由来のナノ繊維構造で高い密着性と保水性を持つが、コスト面で課題あり。	不織布:製法や素材によって性能が異なるが、製造コストと加工性のバランスに優れ、量産性も高い。

これらの素材は構造や特性が異なり、保水性や密着性に差があります。
特に乾燥を防ぐ観点では、素材選定が製品の使用感に大きく影響します。

なかでも不織布は性能の調整がしやすく量産性にも優れていることから、現在のシートマスク市場で主流となっています。

シートマスクに使われる素材について更に詳細な記事はこちら
技術ブログ「シートマスク(フェイスマスク)製造で使われる素材を比較」


シートマスクが乾燥する主な原因は2つ

では、シートマスク(フェイスマスク)が使用中に乾燥してしまう原因には何があるのでしょうか。
要因は大きく2つあります。使用環境や時間による影響と、素材や製法による保液性の違いです。
これらは製品の使用感や保湿効果に直結します。

➀使用中の環境や時間による乾燥

ユーザーがシートマスクを使用する環境は、乾燥の進行に大きく影響します。
冬場やエアコンを使用する室内など、空気が乾燥しやすい状況では、美容液が蒸発しやすくなります。
さらに、推奨時間を超えて長時間使用すると、肌に残るうるおいが減少するケースも見られます。

②素材や製法による保液性の違い

シートマスクに採用される素材や製法によって、美容液の保持力や肌への密着性に差が生じます。
保液性に優れた素材を選定することで、使用中の乾燥を防ぎ、肌のうるおい感の持続をサポートできます。
素材選びは、乾燥対策において重要なポイントといえます。


シートマスクの乾燥を防ぐ不織布の製法とは?

シートマスクに使用される不織布は、製法によって保液性や使用感が大きく異なります。
乾燥対策を考えるうえでは、繊維構造に注目することが重要です。

代表的な製法には「スパンレース」と「エアレイド」があります。
以下の表は、それぞれの特徴と保液性の傾向を比較したものです。

▼スパンレースとエアレイドの比較

スパンレース	水流で繊維を絡ませて成形する製法	〇 		(繊維が密で保持力はやや控えめ) エアレイド	空気の流れで繊維を積層する製法	◎ 		(繊維間に空隙が多く保持力が高い)
※保液性の評価は素材の傾向に基づいており、製品設計や使用条件によって異なる場合があります。

このように、エアレイド製法は繊維間に空隙を多く持ち、美容液をしっかり保持できる構造を備えています。
シートマスクの乾燥を防ぐ素材として注目される理由は、この構造にあります。


エアレイド不織布『パルクロス』の特長と乾燥しにくい理由

シートマスクの乾燥を防ぐには、保液性に優れた不織布素材の選定が重要です。
エアレイド製法は、繊維を空気の流れで積層することで、繊維間に空隙を多く持たせ、美容液をしっかり保持できる構造を実現します。
この特性により、乾燥しにくいシートマスクの開発に適した製法といえます。

当社では、このエアレイド製法を応用し、パルプを主原料とした不織布「パルクロス」を開発しました。
パルクロスは、ふんわりとしたボリューム感と高い保液性を両立し、さらに表裏面に積層したレーヨン繊維がやさしい肌触りと密着性を実現します。

▼パルクロスの特徴

保液性	繊維構造に空隙を持たせることで、美容液をしっかり保持し、使用中の乾燥を抑えることが期待できる設計。	 		 密着性	縦横に伸縮する構造により、顔の凹凸にフィットしやすく、浮きやズレを軽減。	 		 肌触り	表面に積層されたレーヨン繊維が、なめらかでやさしい感触を提供。

これらの特性により、パルクロスはシートマスク使用時に感じやすい「乾燥」や「密着性不足」といった課題に、素材面から対応できるよう設計されています。

美容液たっぷり、高密着コスメ用不織布「パルクロス」


まとめ:シートマスクの乾燥対策は素材と製法がカギ

この記事では、シートマスク(フェイスマスク)の乾燥について、以下のポイントを解説しました。

  • シートマスクに使われる代表的な素材と特徴
  • シートマスクが乾燥する主な原因
  • 乾燥を防ぐための不織布製法とその違い
  • エアレイド不織布「パルクロス」の特長

シートマスクが乾燥する背景には、使用環境や時間のほか、素材の保液性や密着性といった要素が関係しています。
なかでも、素材選定は乾燥対策において重要なポイントであり、製品の使用感や品質に大きく影響します。

エアレイド製法を採用した不織布は、繊維間に空隙を持たせることで高い保液性を実現し、乾燥しにくいシートマスクの開発に適しています。
当社の「パルクロス」は、この特性を活かし、保液性と密着性を両立した素材として設計されています。

シートマスクの乾燥やフィット感に課題を感じている方は、ぜひ一度『パルクロス』をご検討ください。

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