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機能性材料をシート化するTDSプロセスとは 粉体・機能性繊維・シート設計事例を解説

Date 2026.08.31

機能性材料をシート化するTDSプロセスとは 粉体・機能性繊維・シート設計事例を解説のサムネイル

私たちは、パルプを原料とした不織布の設計や用途開発に携わるチームです。

日々、お客様からさまざまなご相談をいただきます。
「消臭機能を持たせたい」
「吸水性能を高めたい」
「調湿機能を付与したい」
といった機能に関するご相談もあれば、
「この粉体を使えないだろうか」
「この材料の特長を活かした製品を作れないだろうか」
という材料起点のご相談もあります。

製品開発の入口は異なっていても、目指しているものは共通しています。
それは、材料が持つ機能を製品の価値として形にすることです。

その方法の一つとして、粉体をシート構造の中に保持し、機能を発揮させる「粉体配合シート」という考え方があります。

この記事では、粉体配合シートの考え方やエアレイド不織布による配合技術、実際に用いられる材料の例を紹介しながら、機能材料の可能性を広げるシート構造について解説します。

▼この記事の構成

1. 機能を形にするという発想
2. 粉体のシート化とは
3. 王子キノクロスの粉体配合技術
4. シート設計を支える材料
5. 機能性材料によるシート設計事例
6. まとめ


1.機能を形にするという発想

「もっと水を吸わせたい」
「においを抑えたい」
「湿度を調整したい」
どうしたら、このような機能を付与できるのか頭を悩ませたことはありませんか。

一方で、材料メーカーからは
「この粉体を使えないだろうか」
「この繊維の特徴を活かせないだろうか」
「この材料を、別の形で使えないだろうか」
という相談が寄せられることもあります。

製品開発の入口は、いつも同じではありません。
機能から考える場合もあれば、材料から考える場合もあります。
出発点は違っていても、その先で考えるのは、材料が持つ特徴をどのように生かしていくかということです。

1-1.機能を活かす方法にはさまざまな形がある

機能を持つ材料を見つけても、そのまま製品に利用できるとは限りません。
同じ材料であっても、どのような形で利用するかによって、使い方や製品としての価値は変わります。

例えば、粉体のまま利用する方法があります。
粒状材料として利用する方法もあります。
成形体として利用する方法もあります。
表面へコーティングする方法もあります。
また、紙やフィルム、不織布などのシート状部材として利用する方法もあります。

材料選定と同じように、どのような形態で機能を活かすのかを考えることも製品設計の重要な要素です。

活用形態

特徴

代表例

粉体

高機能だが飛散しやすい

SAP、活性炭

粒状材料

取り扱いやすい

吸湿剤、吸着剤

成形体

形状保持しやすい

ブロック状吸着材

コーティング

表面へ機能付与

機能性コーティング

シート状部材

加工・搬送・製品への組み込みを行いやすい

紙、フィルム、不織布

1-2.シート状部材として利用するという考え方

機能材料を活用する方法の一つが、シート状部材として利用するという考え方です。
シート状部材には、紙、フィルム、不織布などさまざまな種類があります。
機能材料によっては、粉体のままでは飛散しやすく、取り扱いが難しい場合があります。

また、製品へ組み込む際に、定量供給や配置が課題になることもあります。
シート状部材として構成することで、加工、搬送、組み立てを行いやすくなり、新たな用途展開を検討しやすくなる場合があります。
シート化は、機能材料を単なる素材としてではなく、製品へ組み込みやすい部材として活用するための考え方ともいえます。

こうした考え方の一つが、粉体や機能性繊維をシートの中へ配合する粉体配合シートです。


2. 粉体のシート化とは

粉体には、吸水、吸着、脱臭、調湿など、さまざまな機能を持つ材料があります。

一方で、優れた機能を持つ粉体であっても、そのまま利用しようとすると課題が生じる場合があります。
加工や搬送の際に飛散する。
必要な場所へ均一に配置しにくい。
製品の中で偏りが発生する。

こうした課題に対して検討されてきた方法の一つが粉体のシート化です。

2-1.粉体が持つさまざまな機能

粉体は、組成や粒径、細孔構造などによってさまざまな機能を発揮します。

例えば、高吸水性樹脂は水分を吸収して保持する機能を持っています。
活性炭やゼオライトは、臭気やガス成分を吸着するために利用されています。
珪藻土や鉱物系材料には、吸放湿や調湿機能を持つものがあります。

さらに、熱伝導性、絶縁性、難燃性など、産業用途で利用される機能性粉体も存在します。
製品に求められる性能によって、使用される粉体は異なります。

2-2.粉体を活用する際の課題

粉体は優れた機能材料である一方、そのままでは製品へ組み込みにくい場合があります。
加工中の飛散。
製品内での偏在。
摩擦や振動による脱落。
こうした現象は、作業性や品質のばらつきにつながることがあります。

また、粉体の機能を十分に発揮させるためには、対象となる空気や液体、臭気などが粉体へ接触できる構造も必要になります。
粉体が持つ機能を十分に発揮させるためには、性能だけでなく、配置や保持の方法も考える必要があります。

2-3.保持・配合という考え方

粉体を製品へ利用する場合、
「どこに配置するか」
「どの程度配合するか」
「どのように保持するか」
を考える必要があります。

粉体をシートの内部に保持する方法もあれば、表面付近で機能を発揮しやすいように配置する方法もあります。
保持性を優先するのか。
機能発現を優先するのか。
求める用途によって設計の考え方は変わります。

粉体を利用した製品では、材料そのものだけでなく、配置や構造も設計要素になります。

2-4.「粉体のシート化」とは何を意味するのか

粉体のシート化とは、粉体が持つ機能を維持しながら、加工や組み立てに利用できる形へ変換する考え方です。

シート状部材には、紙、フィルム、不織布などさまざまな種類があります。
用途や求められる性能によって、使用する基材や構造は異なります。
その中でも不織布は、繊維構造の中に粉体を保持できることから、粉体配合シートの基材として利用されています。

次章では、当社が取り組むエアレイド不織布による粉体配合技術について紹介します。


3. 王子キノクロスの粉体配合技術

当社では、エアレイド不織布の構造を利用し、粉体や機能性繊維をシートへ配合する取り組みを行っています。

「こんな機能を付与できないだろうか」
というご相談だけでなく、
「この材料をシートに配合できないだろうか」
というご相談をいただくこともあります。

対象となる材料は、高吸水性樹脂のような吸水材料だけではありません。
活性炭やゼオライトなどの吸着材料。
調湿機能を持つ鉱物系材料。
機能性を持つ各種繊維。
用途や目的に応じて、さまざまな材料が検討対象になります。

当社では、こうした材料をエアレイド不織布の構造へ取り込み、機能を持ったシートとして設計する取り組みを行っています。

3-1.エアレイド不織布とは

当社では、粉体や機能性繊維を配合したシートの製造に、エアレイド法による不織布技術を活用しています。

エアレイド不織布は、繊維を空気中で分散・堆積させてウェブを形成する乾式不織布です。
抄紙法のように大量の水を使用せず、空気流によって繊維を積層していくことが特徴です。
形成されたウェブは、繊維同士の間に多くの空隙を持つ嵩高な構造になります。
この構造は、液体や空気を通しやすく、さまざまな材料を組み合わせたシート設計にも利用されています。

また、乾式法であることから、水との接触によって性質が変化しやすい材料や、湿式工程では扱いにくい材料についても検討しやすい場合があります。

当社では、このエアレイド不織布の構造を活用し、粉体や機能性繊維を配合したシートの設計に取り組んでいます。

次に紹介するTDSプロセスは、こうしたエアレイド不織布の製造工程に粉体や機能性繊維を組み合わせるための技術です。

3-2. TDSプロセスによる粉体配合

TDSとは、Totally Dry System(完全乾式法)の略称です。

当社には、ラテックスタイプのエアレイド不織布製造プロセスであるキノクロスプロセスがあります。
一方、TDSプロセスはサーマルボンドタイプのエアレイド不織布プロセスです。
エアレイド法で形成したウェブを熱によって接着するため、製造工程で水を使用しません。
このことから、TDSはTotally Dry System(完全乾式法)と呼ばれています。

TDSプロセスの特徴は、完全乾式でシートを製造できることに加え、多様な材料を組み合わせた構造設計が可能なことです。
表面材や、ウェブ形成に必要な通気性を備えた裏面材を選択し、中層には繊維や粉体、機能性繊維などを組み合わせることができます。

また、どの材料をどこに配置するのか、どのような層構成とするのかによって、シートとしての性能は大きく変わります。
TDSプロセスでは、材料の選定だけでなく、構造そのものも含めた設計を行うことができます。

3-3. 乾式法だから対応しやすい材料がある

粉体や機能性材料の中には、水との接触によって性質が変化するものがあります。
例えば、高吸水性樹脂は水分を吸収すると膨潤します。

また、多孔質材料の中には、水分との接触によって構造や機能に影響を受けるものもあります。
材料によっては、湿式工程での分散や保持が難しい場合もあります。

TDSプロセスは、エアレイド法によるウェブ形成から熱接着による固定まで、水を使用しない完全乾式法です。
そのため、水との接触を避けたい材料についても検討しやすい特徴があります。
材料によっては、粒径や流動性、耐熱性などを確認する必要がありますが、
水を使用しないことで選択肢となる材料の幅を広げられることもTDSプロセスの特徴です。
粉体だけでなく、機能性繊維や各種シート材料との組み合わせも含め、多様な構成を検討できることがTDSプロセスの強みといえます。

3-4. 3つの粉体配合方法

TDSプロセスでは、用途や求める機能に応じて、主に3つの粉体配合方法を選択することができます。

一つ目は、繊維と粉体を混合して中層へ配合する方法です。
粉体をシート内部に保持できるため、比較的多くの粉体を配合しやすいことが特徴です。
また、粉体を繊維層の中に保持することで、表面からの脱落を抑えやすい構造とすることができます。

二つ目は、形成したウェブ上へ粉体を散布する方法です。
粉体を表面に近い位置へ配置できるため、空気や液体、臭気成分などの対象物と接触しやすく、粉体が持つ機能を直接発揮させたい場合に利用されます。

三つ目は、混合配合と粉体散布を組み合わせる方法です。
粉体保持と機能発現の両立を狙った構成が可能となり、用途に応じた設計の幅を広げることができます。

一方で、エアレイド不織布は低密度で嵩高な構造を持つため、粉体を多く配合した場合にはシート端面からの粉体脱落が課題となることがあります。
そのため、求める機能と保持性のバランスを考えながら構造を設計することも重要になります。

3-5. TDSプロセスが持つ設計自由度

TDSプロセスでは、粉体や機能性繊維を配合できることに加え、さまざまなシート設計を行うことができます。

①厚物化
坪量約100~3,500g/㎡、厚さ約1~30mmと、同じプロセスで薄物から厚物まで幅広く生産可能です。
用途によっては、一般的な不織布のイメージを超える厚みを持ったシート設計も可能です。

②粉体のシート化
高吸水性樹脂(SAP)や活性炭、シリカゲルなどの機能を活かしながらシート化することができます。

③機能性繊維のシート化
高吸水性繊維(SAF)や炭素繊維など、機能性繊維を活かしたシート設計も可能です。

④他素材との複合化
フィルム、紙、不織布などを表面材として組み合わせた複合シートも製造できます。

このようにTDSプロセスでは、材料をシート化するだけでなく、材料の特徴を活かしながら目的に応じた形へ構成していくことができます。

内容

厚物化

~3500g/㎡

粉体配合

SAP・活性炭

繊維配合

SAF・炭素繊維

複合化

フィルム・紙

粉体のシート化 特設サイトはこちら https://oji-kinocloth.com/powder


4. シート設計を支える材料

TDSプロセスでは多様な設計が可能ですが、それを支えているのが繊維、表面材、粉体などの材料です。
同じ粉体を使用する場合でも、どの繊維を使用するのか、どのような表面材を組み合わせるのかによって、シートとしての特性は変わります。

また、機能を持つ繊維を使用することで、粉体とは異なる方法で機能を付与することもできます。
ここでは、シート設計を支える代表的な材料を紹介します。

4-1.シートの基本となる繊維材料

エアレイド不織布の主原料として最も多く使用されるのがパルプです。
パルプは吸収性能に優れ、比較的安価であることから、多くのエアレイド不織布で使用されています。

エアレイド法の特徴の一つは、繊維長さが5mm程度であれば、多種多様な繊維を組み合わせることができることです。
そのため、パルプだけでなく、合成繊維や機能性繊維を組み合わせたシート設計も可能です。
例えば、高吸水性繊維(SAF)、炭素繊維、抗菌繊維、難燃繊維、生分解性繊維などがあります。

繊維自体が持つ機能を利用することで、粉体とは異なる方法でシートへ機能を付与することもできます。

4-2. シートの特性を調整する表面材

TDSプロセスでは、中層だけでなく表面材を組み合わせながらシートを設計します。
表面材には、ティッシュ、不織布、紙、フィルムなどさまざまな材料を使用できます。
表面材はシートの強度や加工性を向上させるだけでなく、粉体の保持性や触感、通気性などにも影響します。
また、用途に応じて紙やフィルムを組み合わせることで、新たな機能を付与することもできます。

エアレイド法では、ウェブ形成時に空気を通す必要があるため、裏面材に使用できる材料には制約があります。
一方で、表面材には幅広い材料を使用できるため、用途に応じてさまざまな複合シートを設計することができます。

4-3. 機能を付与する粉体材料

粉体は、シートへ機能を付与するための重要な材料です。
繊維がシートの骨格となるのに対し、粉体は吸水性、吸着性、調湿性、消臭性などの機能を担います。

TDSプロセスでは、粉体をウェブに混合したり積層したりすることで、さまざまな機能を持ったシートを設計できます。
代表的な粉体としては、高吸水性樹脂(SAP)、活性炭、シリカゲル、ゼオライト、鉄粉などがあります。

これらの粉体は、それぞれ異なる特徴を持っています。
例えば、高吸水性樹脂(SAP)は吸水・保水機能。
活性炭は吸着機能。
シリカゲルは吸湿機能。
ゼオライトは吸着機能や鮮度保持機能。
鉄粉は脱酸素機能などに利用されています。

また、同じ粉体を使用する場合でも、配合量や配置方法、組み合わせる繊維や表面材によってシートとしての特性は変わります。
そのため、粉体配合シートでは材料選定だけでなく、どのように配合するのかも重要な設計要素となります。


5.機能性材料によるシート設計事例

前章で紹介したように、TDSプロセスではさまざまな繊維や粉体、表面材を組み合わせながらシートを設計できます。

実際の開発では、「この材料をシート化したい」「吸水性を持たせたい」「鮮度を保持したい」など、お客様からさまざまなご要望をいただきます。
TDSプロセスでは、その目的に応じて材料やシート構造を組み合わせながら、求められる機能をシートとして形にしてきました。

ここでは、これまでに取り組んできた代表的な機能と、その設計事例を紹介します。

5-1.吸水・保水機能を付与する材料

吸水・保水機能を付与する材料としては、高吸水性樹脂(SAP)や高吸水性繊維(SAF)が挙げられます。
これらの材料は、自重の数十倍から数百倍の水分を吸収・保持できることが特徴です。
TDSプロセスでは、こうした機能性材料をシート内部へ配合することで、吸水・保水機能を持つシートを設計できます。

これまでにも、生理用品や紙おむつなどの吸収体をはじめとして、土嚢シート、簡易トイレ用吸収体、
さらには最終処分場などで用いられる自己修復遮水シートなど、液体の吸収や保持が求められる用途で活用されてきました。

また、高吸水性繊維(SAF)は吸水だけでなく吸放湿特性も有しており、用途に応じてさまざまなシート設計が可能です。

さらに、エアレイド不織布は低密度で空隙の多い構造を持つことから、液体を取り込みやすい特徴があります。
TDSプロセスでは、このエアレイド不織布の構造とSAPやSAFを組み合わせることで、吸水・保水機能をより活かしたシート設計が可能です。

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5-2.吸着・消臭機能を付与する材料

吸着・消臭機能を付与する材料としては、活性炭、炭素繊維、活性炭素繊維、各種消臭剤などが挙げられます。
これらの材料は、臭気成分やガス成分を吸着する機能を持っており、
TDSプロセスではシート内部へ配合することで、吸着・消臭機能を持つシートを設計できます。

これまでにも、靴用インソールや脇汗シートなどの衛生用途をはじめ、消臭シートやガス吸着シートなど、
臭気対策や空気環境の改善が求められる用途で活用されてきました。
なお、ここで紹介した材料は、吸着・消臭機能だけでなく、さまざまな機能の付与にも活用されています。

また、パルプを主原料としたエアレイド不織布は、多孔質で空隙の多い構造を持つため、水分やガス成分との接触面積を確保しやすい特徴があります。
機能性材料と組み合わせることで、それぞれの特性を活かしたシート設計が可能です。

5-3.調湿機能を付与する材料

調湿機能を付与する材料としては、シリカゲルや高吸水性繊維(SAF)などが挙げられます。
これらの材料は周囲の湿度に応じて水分を吸収・放出する特性を持っており、湿度変化の影響を受けやすい環境で活用されています。
TDSプロセスでは、こうした機能性材料をシートへ配合することで、調湿機能を持つシートを設計できます。

これまでにも、配電盤内の結露対策を目的とした調湿シートをはじめ、絵画や書籍、押し花などの保存用途に用いられるシートとして活用されてきました。

また、高吸水性繊維(SAF)は吸水・保水機能だけでなく、吸放湿特性を活かしたシート設計にも活用されています。

さらに、エアレイド不織布は低密度で通気性の高い構造を持っています。シリカゲルや高吸水性繊維(SAF)と組み合わせることで、
それぞれの特性を活かした調湿シートを設計することが可能です。

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5-4.鮮度保持・抗菌機能を付与する材料

鮮度保持・抗菌機能を付与する材料としては、ゼオライトや焼成ホタテ貝殻粉末などが挙げられます。
これらの材料は、それぞれ異なる特性を持っており、目的に応じてシートへ機能を付与することができます。
TDSプロセスでは、機能性材料をシートへ配合することで、鮮度保持や抗菌などの機能を持つシートを設計できます。

これまでにも、農産物向けの鮮度保持シートやレンコン保鮮シート、活エビ輸送シートなどの設計事例があります。
また、焼成ホタテ貝殻粉末を配合したシートは、抗菌機能を活かした用途にも活用されてきました。

ゼオライトは調湿性や吸着性を有し、焼成ホタテ貝殻粉末は抗菌性を有しています。
低密度で吸収性に優れたエアレイド不織布と組み合わせることで、水分を保持しながら、それぞれの材料特性を活かしたシート設計が可能です。

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5-5.環境対応材料を活用したシート設計

近年は、環境負荷低減や資源循環への関心の高まりを背景に、シート材料にも環境対応が求められるようになっています。
こうした社会的な要請に対し、エアレイド不織布の分野でも、PLA繊維をはじめとした環境対応材料や、
古紙パルプなどの再生原料を活用したシート設計が行われています。

また、お茶殻やコーヒー抽出かす、フェルト端材など、これまで十分に活用されてこなかった材料についてもシート化を検討してきました。
環境対応材料の選択肢は年々広がっており、新たな素材や未利用資源の活用に関する相談も増えています。
これからも社会や市場の変化に合わせながら、新たな材料の可能性を探究していきます。

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5-6.特殊な機能を付与する材料

TDSプロセスでは、これまで紹介した材料以外にも、さまざまな機能性材料をシートへ配合してきました。
例えば、難燃剤や難燃繊維を配合することで難燃性を付与したシート、撥水繊維を活用した撥水シートなどの設計事例があります。

また、マイクロカプセルを活用したシートの検討も行われており、機能性材料の種類によってさまざまな特性をシートへ付与できる可能性があります。
TDSプロセスの特徴は、決まった材料だけを使用するのではなく、求められる機能に合わせて材料を組み合わせながらシートを設計できることです。

今後も新たな機能性材料の開発や発見によって、シート設計の可能性はさらに広がっていくと考えられます。


6.まとめ

TDSプロセスでは、さまざまな繊維、粉体、表面材を組み合わせながら、目的に応じたシート設計を行うことができます。

高吸水性樹脂(SAP)や高吸水性繊維(SAF)による吸水・保水機能、活性炭や消臭剤による吸着・消臭機能、
シリカゲルによる調湿機能、ゼオライトや焼成ホタテ貝殻粉末による鮮度保持・抗菌機能など、
これまでにもさまざまな機能を持つシートが設計されてきました。
また近年は、環境対応材料や未利用資源の活用など、社会や市場から求められる新たな課題への対応も重要になっています。

TDSプロセスの特徴は、さまざまな材料や技術を組み合わせながら、お客様のアイデアや課題をシートとして形にできることです。
これまでにも、多様な材料や機能を組み合わせることで、さまざまなシート設計に取り組んできました。

また近年は、お客様から寄せられる課題への対応だけでなく、新しい機能性材料や未利用資源の活用、
新たな用途の提案など、自ら新しい価値を生み出す取り組みにも挑戦しています。

1964年に世界で初めてパルプエアレイド不織布の製造に成功して以来、「志、開発に在り」の理念のもと、
素材と技術の可能性を追求してきました。

TDSプロセスもその取り組みの一つです。これからも新たな材料や技術との組み合わせを探りながら、
シートだからこそ実現できる価値を形にしていきます。


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