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シートマスク(フェイスマスク)製造で使われる素材を比較

Date 2025.07.11

シートマスク(フェイスマスク)製造で使われる素材を比較のサムネイル

私たちはコスメ用エアレイド不織布『パルクロス』の開発チームです。

開発を進める中で、使用感や効果実感は、美容液の成分や香りだけでなく、シートの素材によっても左右されることを実感しました。

吸水性・保水性・密着性・肌ざわり・コストなど、何を重視するかによって最適な素材は異なります。
「乾燥しやすい」「肌に密着しにくい」といった課題も、素材の選定次第で解消できる可能性があります。

この記事では、シートマスクに使われる代表的な素材の特徴を比較し、品質とコストのバランスに優れた素材『パルクロス』について解説します。

▼この記事の構成

以下の流れで、シートマスク(フェイスマスク)の素材について解説します:

シートマスクに使われる主な素材と特徴

①不織布素材(スパンレース/エアレイド)
②ハイドロゲル
③バイオセルロース

素材選定の考え方と優先順位

品質とコストのバランスがとれたエアレイド不織布『パルクロス』

まとめ:素材選びが製品の差別化につながる


シートマスクに使われる主な素材と特徴

シートマスクに使用される素材は、製品の使用感や機能性を左右する重要な要素です。

製造現場で採用されている素材は、大きく3種類に分類され、それぞれに異なる特徴があります。

①不織布素材(スパンレース/エアレイド)

不織布とは、繊維を織らずに絡ませてシート状にした素材です。
コストや加工性、肌ざわりのバランスに優れており、量産品から高機能品まで幅広く採用されています。

製法によって性質が異なるため、用途に応じた選定が可能です。
シートマスクに使用される不織布は、水流交絡法によるスパンレース不織布と、エアレイド法によるエアレイド不織布の2種類が主流です。

▼シートマスクに使用される不織布

種類	製法	特徴  スパンレース	水流交絡法  (水流で繊維を絡ませる)	柔らかく、肌触りがよい  エアレイド	エアレイド法  (空気の力で繊維を積層する)	吸水性・保水性・コストバランスに優れる
種類 製法 特徴 スパンレース 水流交絡法 (水流で繊維を絡ませる) 柔らかく、肌触りがよい エアレイド エアレイド法 (空気の力で繊維を積層する) 吸水性・保水性・コストバランスに優れる

不織布の性質は、使用される素材によっても変化します。
スパンレース不織布には、コットン・レーヨン・リヨセル・マイクロファイバーなどが使われます。
一方、エアレイド不織布にはパルプやレーヨンが主に使用されています。

▼【素材別】フェイスマスク用不織布の特徴

素材	特徴  コットン  ●	植物由来の天然素材  ●	持続可能な資源として利用されることが多い  ●	吸水性が高く、加工性に優れる  パルプ  ●	木材由来の天然繊維  ●	再生可能資源として広く利用されている  ●	嵩高性・吸水性に優れ、コスト効率が高い  レーヨン  ●	天然セルロースを再生した繊維  ●	製造工程により環境負荷が変動する  ●	滑らかで保水性が高く、冷感性がある  リヨセル  ●	木材由来の再生繊維  ●	製造工程が比較的環境に配慮されている  ●	吸水性と密着性に優れている  マイクロファイバー  ●	合成繊維で、原料や製造方法によって環境負荷が異なる  ●	極細構造により吸水性・密着性に優れ、加工自由度が高い
素材 特徴 コットン ● 植物由来の天然素材 ● 持続可能な資源として利用されることが多い ● 吸水性が高く、加工性に優れる パルプ ● 木材由来の天然繊維 ● 再生可能資源として広く利用されている ● 嵩高性・吸水性に優れ、コスト効率が高い レーヨン ● 天然セルロースを再生した繊維 ● 製造工程により環境負荷が変動する ● 滑らかで保水性が高く、冷感性がある リヨセル ● 木材由来の再生繊維 ● 製造工程が比較的環境に配慮されている ● 吸水性と密着性に優れている マイクロファイバー ● 合成繊維で、原料や製造方法によって環境負荷が異なる ● 極細構造により吸水性・密着性に優れ、加工自由度が高い

不織布は厚みや密度、肌ざわりなどを加工工程で調整しやすく、製品仕様に応じたカスタマイズが可能です。

加工の自由度が高いため、OEM製品の多様な要求にも柔軟に対応可能です。

②ハイドロゲル

ハイドロゲルは、水分をゲル状に保持する高分子素材で、シート自体に美容成分を配合できるのが特徴です。

保水力と密着性に優れ、冷感効果もありますが、製造工程が複雑でコストが高く、安定性や取り扱いに注意が必要です。

③バイオセルロース

バイオセルロースは、糖分を含む液体を微生物で発酵させて作られる繊維素材です。
原料にはココナッツウォーターなどの糖質を含む天然液体が使用されることが一般的です。
発酵の過程で微生物がセルロースを生成し、細かい繊維が網目状に重なり合う構造になります。
この構造により、液体を保持しながら肌に密着する性質を持ち、美容液を均一に届けられます。

使用感に優れており、心地よいフィット感が得られる点も魅力です。
ただし、製造には時間とコストがかかるため、主に高機能・高価格帯の製品に使われています。


素材選定の考え方と優先順位

シートマスクの素材選定は、製品のコンセプトや使用目的によって大きく変わります。
たとえば、保湿力を重視する製品では保水性の高い素材が求められます。

一方で、敏感肌向けの製品では、肌ざわりのやさしさや低刺激性が重要視されます。
密着性を重視する場合は、顔の形にしっかりフィットする柔軟性のある素材が適しています。
冷感効果を狙う製品では、ひんやりとした感触を持つ素材が選ばれる傾向があります。

また、製品の価格帯によっても素材選定の基準は変化します。
高価格帯では機能性や使用感を重視し、低価格帯ではコスト効率や量産性が優先されることが多くあります。

このように、素材選びは単なる性能比較ではなく、製品の目的やターゲット層に
合わせた総合的な判断が必要です。
開発段階での素材選定は、製品の印象や差別化に直結する重要な工程といえます。


品質とコストのバランスがとれたエアレイド不織布『パルクロス』

ハイドロゲルやバイオセルロースは高機能な素材ですが、製造コストが高く、量産や価格競争が求められる製品には向かない場合があります。
一方、不織布素材は加工性やコスト、肌ざわりのバランスに優れており、幅広い製品に対応できる実用的な選択肢です。

なかでも、品質とコストの両立を実現した素材として注目されているのが、エアレイド不織布『パルクロス』です。

パルクロスは、独自のエアレイド技術で形成されたパルプ主体の不織布『キノクロス』に、片面または両面からレーヨンを積層した構造を持ちます。

▼パルクロスの特徴

  • 空隙の多い構造により、吸水性と保水性が高い
  • やわらかく快適な肌ざわりを持つ
  • 縦横に伸びる構造で、さまざまな顔形にフィット
  • 品質とコストのバランスに優れている

水を使わず、空気の流れによって繊維を均一に分散させることで、ふんわりとしたボリューム感が生まれます。

表面にはレーヨン層が積層されており、肌に触れたときのやさしい感触が、使用時の快適性を高めます。

縦横に伸びる特性により、顔の形状に合わせてしっかりと密着します。
高い密着性と保液性を備えながら、コストパフォーマンスもよく、品質と価格のバランスに優れています。


まとめ:素材選びが製品の差別化につながる

この記事では、シートマスクの製造に用いられる素材について以下の内容を解説しました。

● シートマスクに使われる主な素材と特徴
● 品質とコストのバランスに優れたエアレイド不織布『パルクロス』

シートマスクに使われる代表的な素材には、不織布、ハイドロゲル、バイオセルロースがあります。
吸水性や保水性、密着性、コストなど、素材ごとの特性は製品の使用感や印象に大きく影響します。
なかでも不織布素材は、コストと品質のバランスに優れており、量産品から高機能品まで幅広く対応可能です。

特に、エアレイド不織布『パルクロス』は、吸水性と密着性に優れた素材として注目されています。
製品開発において、素材選びは差別化の鍵を握る重要な要素です。

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